あるボリュームの写真群を展示するとき、その1枚1枚の写真そのものの持つ写真の力と、一つ一つの写真が全体の中で果たす役割と、1枚の写真はその両方を担わなくてはならない。
そういうことについて考えていたとき、音楽の「変奏曲」という形態に思い至りました。
テーマとなる音型を、様々な形に変奏して全体として連なると同時に、その一曲一曲が単独の曲として独立する変奏曲。
単に編集的なテクニックではなく、ひとつひとつの独立した小品を変奏曲的に写真群に配置することで別の響きを与えられるかどうか? しかもそれを二人で分担したら(イメージ的には右手と左手)どんな変奏曲に仕上がるのか?
こういう話をタスミさんと話していたときに、自然と、16×2点で、という話になりました。合計32点になるようにしたのは、とある有名な鍵盤楽器用の変奏曲の曲数・構成を拝借しただけであまり大きな意味はありません。
しかし二人ともが好きな曲であるこの曲の構成を「枠」として選んだ手前、この曲の持つ透徹感を意識せざるを得ず、写真を製作・構成する上で大きな舵取りになったことは確かです。
双方の用意した楽曲(写真)が、演奏会場(ギャラリー)でどう鳴らされるのかは、各々の弾き手にもまだわかりません。搬入してみてのお楽しみ的な部分もあります。それを楽しみに、あえて詰め切らずに左右の手の弾くに任せている部分もあります。
どのように16×2の写真が連なるのかお楽しみに。皆様のご来場をお待ちいたしております。
カマウチヒデキ
タスミケン
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Author:gallery maggot
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